反対意見は問題を解決するために述べる
「言いたいことははっきり述べよ。」
この言葉に従って、上司に反対意見を述べたところ、嫌な顔をされた。
「お前に何がわかる!」
と、怒られた部下もいる。
そんなわけで、
「思ったことは遠慮なく言ってほしい」
と年配者や上司にこのように言われても、
〈そんなこと言ったって、言えばにらまれるに決まっている〉
と、大半の人は信用しないのが現状だ。
意見、まして反対意見など言うものではないと、大抵の人は思っている。なぜ、こうなるのか。
ヴォルテールの言葉に、こんな一言がある。
「わたしはあなたの意見に反対だ。だが、あなたがそれを言う権利は命をかけて守る」
日本では、建前として通用しても、本音ではこの言葉どおりいかない、上下意識がいまもって残っていて、下は上の言うとおり従うのが当然と、思っている人たちが多いからだ。
そういう人たちからすれば、下が意見を述べるのを快く思わない。自分の意見に反対されたりすれば、
「けしからん」
「生意気だ」
と、腹を立てる。
反対意見は必要であり、大事であると理解している上司でも、自分の意見に反対されると、いい気持ちはしないのが正直なところだろう。
以上のような現状が変わらない限り、コミュニケーションの風通しはよくならない。説得しても、表向きは従うけれど、内心では反発している。
現状を変えるには2つのことが必要になる。
(1)上司がコミュニケーションのやりとりに、上下意識を持ち込まないように、意識改革を行なうことである。
一段上から偉そうにものを言うのでなく、同じ目線でコミュニケーションをする。