理屈はシンプル。1回数千円からのレッスンには、日本在住のネイティブ講師の高額な人件費と、駅前の好立地な不動産コストが含まれている。さらにレッスン料の支払い更新期に気分よく継続してもらうため、シビアな学習効果の測定をするよりも、心地よく通ってもらえるようにコミュニケーションに重点を置くのが主流となっているという。

「おいしいのは英語の初心者。語学スクールの8割は、この初心者市場で成り立っているとすらいわれています」(業界関係者)

 学習者自身の責任もある。ネイティブスピーカーの美しい発音に憧れながらも、完璧主義に陥ってしまい、とにかく喋ってみようという人は多くない。背景にはリーディングを中心とした公教育での英語学習の偏りや、日本語で英語を教えるという伝統的な授業方式も影響している。

 継続コスト、多忙、そしてゴール設定のあいまいさ。こうした「挫折の墓場」の中に埋もれず、乗り越えられる人が一体どれだけいるだろうか。

 こうして長年にわたってアジアの中でも最も英語力が低いポジションにありながら、新年度が訪れるたびに、年間9000億円ともいわれるおカネが「不思議の国の英語ビジネス」には注がれ続けているのだ。

最もコストパフォーマンスが高い
ニーズ別・3つの最短ルートとは

 そこで『週刊ダイヤモンド』では、英語を学びたい人たちのニーズに合わせて、最も費用対効果が高いと思われる“最短ルート”にだけに絞って取材を敢行。4月4日号(3月30日発売)特集では、大きく三つのパートに分けて、それぞれに秘められた学習法やノウハウなどを余すところなく紹介している。

 一つ目が、「禁断のTOEIC逆解析」だ。もし会社などから一定のスコアを課された場合、どのように短期間で効率的にスコアを上げることができるのか。その一点に絞ってノウハウを徹底研究した。

 中でも、長年にわたってTOEICのテストを研究してきた達人たちによる、試験問題の誌上解析コーナーでは、彼らの英知がぎゅっと詰まった最高のTOEIC参考書になるはずだ。

 二つ目が、90年間にわたって日本人の英語学習に最適化して、ラジオやテレビで放送される学習番組を作ってきたNHKの「秘密の制作舞台裏」だ。

 年間にして約1100万部のテキストを売り上げる彼らの英語番組は、ジャーナリストの池上彰氏など往年のファンも数多い。今回はスタジオの中まで入り込み、作り手となる人たちがちりばめた無数のこだわりや仕掛けを解き明かすことで、英語学習を楽しく習慣付ける一助にしたい。