日本の公的資金が株を買うと
なぜ「官製相場」と批判されるか

――ただ現在の株高は、政府による「官製相場」だと指摘する声も多いですね。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株を買うと官製相場だという批判がありますが、それは違う。今までの公的年金の運用は債券一辺倒で、「国民の年金を運用するのだから安全第一」という大義名分の下で国債を買い続けてきました。しかし、国債は今安全資産どころではない。各国の中央銀行が量的緩和で買いまくって異常な金利水準にあり、それこそバブルの状態にあります。そんなものに突っ込む方が、よほど危ないと思いませんか。

 それに、デフレからインフレの時代になると言うなら、株に投資するのはむしろ自然。海外のソブリンウェルスファンド、ノルウェー中銀、シンガポールのGICといった海外の公的資金だって、みんな日本株に投資しています。それなのに、日本の公的資金が日本株を買うと「官製相場だ」と非難されるのは、おかしくないでしょうか。

 中には、「GPIFが債券から株に資産構成をシフトするなら、日本株ではなくグローバルなマーケットの時価総額に応じて資産を配分すべきでないか」と主張する識者もいます。そうした意見もその通りなのですが、前述のように日本は今、最大の時価総額に迫りつつあるわけで、それなら日本株をたくさん買ってもいいのではないか。

 時価総額で言えば、上海や中国の市場も東京を抜いて拡大していますが、実際には投資規制、通貨の自由化といった問題もある。日本のように透明性があり、会計基準もクリアで、かつ流動性があるマーケットが過去最大の時価総額に戻ってきていることは、それ自体がグローバルマネーを惹きつける好循環を生みます。だから、このタイミングで公的資金が株を買うことに問題はないと思います。

――現在の相場はもともとアベノミクスによって牽引されています。世間には、「アベノミクス相場」の行く方を不安視する識者・関係者も少なくありません。日本経済の成長と共に、このまま株式市場は堅調に推移して行くものでしょうか。

 アベノミクスに対する批判にはもっともな意見も多いし、アベノミクスは決して盤石ではありません。しかし実際問題として、アベノミクスがこれだけ相場を変えてきたのは事実です。アベノミクスの成果について、「円安にして株価を上げただけではないか」という批判がありますが、それだけでも十分ではないかと思うのです。