本当にバブルなのか?
日本株2万円の持つ意味
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今年4月、日経平均株価が15年ぶりに一時的ながら2万円を回復したことが話題になった。確かに2万円は象徴的な水準であるが、1989年のバブルのピーク時につけた4万円近い水準からは依然大きな差がある。
むしろより重要なのは、時価総額ではバブルピークの590兆円に近づいてきたことと考えてきた。2015年4月18日時点の東証一部の時価総額は576兆円であり、過去のピークとなった1989年の水準が視野に入るまでになってきた。
今回の株価上昇をめぐる環境で重要なのは、日本株だけでなく世界中の株式市場が堅調なことであり、欧州は史上最高値を更新し、米国も目先もみ合いながらも史上最高値圏にあることだ。また、中国の株式市場も大幅な上昇が続いており、日本株が単に2万円をつけたことよりも、むしろ世界の環境のなかにおける相対的な立ち位置を考えた方が建設的だろう。
日本株は「失われた3年」
からの戻りに過ぎない
図表1は日本株と欧米株式市場を比べたものである。日本株は欧米の株式市場と長らく連動が続いたが、2009年9月の政権交代で連動が大きく崩れ、海外投資家から日本株が全く見放された「失われた3年」が生じていた。