イギリスで昨年価格調査した例を見てみよう。

 コーラ飲料を大手チェーンでのNB商品、PB商品、そしてディスカウンターでの価格を比べてみると、以下のようになった。

 ・NBコーラ(ダイエット): £1.56
 ・PBプレミアム・コーラ(ダイエット): £0.77
 ・PBお買い得コーラ(ダイエット): £0.17
 ・ディスカウンターのコーラ: £0.17
 (08年11月、筆者現地調査)

 最安値の類似品は、NB品の実に89%引きの価格である。価格差の上限が15%程度であれば、商品の品質やパッケージがNB品並でなければ生活者は満足しないが、価格差が89%もあれば多少の味やパッケージの品質の悪さは許容範囲内になる。

企業戦略の余地をどこから得るか?
その解は「日本」ではない――。

 このような条件下では、消費財メーカーは次の質問を突きつけられる。

 ・小売業のPBの製造を受託するか?
 ・激しいディスカウントを行なう小売業と取引を行なうか? その場合、価格をどうやって維持するのか?

 また、より戦略的な問いにも答えなければいけない。

 市場では、ディスカウンターが増え、PB商品の売上が伸びてきた場合、日本の消費財市場自体は横這いだったとしても、NB商品市場は大幅に縮小することになるからである。そのため全社的には、 

 ・今後の企業成長の余地を、どこから得るのか?

 という点に答えを見出さなければいけない。それはもはや日本ではない。BRICs諸国や東南アジアの成長市場にてメジャープレーヤーになることである。

 「社会/生活者」の分野で、もう1つの不確定要素は「安心/安全への過剰な要求」である。最近の食用油の問題を見てみても、生活者だけでなく、マスメディアも、政府も、客観的で冷静な視点を失っていると感じる。