スーパーヒーローになりませんか
と言えば手を挙げたくなる

ウッド コミュニケーションに関して、私がいつも大切に思っていることは、A(Always)、B(be)、C(communicating)「常にコミュニケーションを取ろう」です。このようなインタビューや、ミーティング、プレゼンテーションの機会でも、とにかくそれを心にとめています。ビジネスマンは、どうしてもビルの中に籠もりがちですが、自分たちはグローバルな活動をしていて、グローバルな組織ですので、とにかくアウトサイド、外側に向かってコミュニケーションをする、話に行くということを常に考えています。

佐々木 資金調達はどのようにされているのですか。

ウッド ルーム・トゥ・リードの資金調達パーティーでは、プロジェクトの内容を説明し、そのうえで直接ゲストのみなさんに支援をお願いする時間があります。最初に、そのシステムを思いついた時、周りはそんなものはうまくいくわけがないと反対しましたが、私は確信していました。人々はみんな寛大で、誰かのことを助けたい、世の中を変えたいと思っていると。
  「学校を建ててくれる人はいませんか」と私が初めて声を掛けたときのことです。最初は1人がパドルを挙げました。その後、2人挙げ……最後は20名の方がパドルを挙げてくれました。私の確信は正しいものでした。そのおかげで、ラオスとベトナムに20の学校を作ることができたのです。
 10年前の話ですが、本当に驚くほどの結果を目撃することができました。今は1800以上の学校を建設でき、1万8000以上の図書館を作ることができたのです。

佐々木 パドル前の直前に言う一言はなんですか。

ウッド いつも決まっているわけではないんですが、今年であれば、プロジェクト支援を募るときに「スクールスーパーヒーローになりませんか?」と声を掛けています。

佐々木 みんなスーパーヒーローになりたいですから、「はい!」って手を挙げたくなりますね。

ウッド プロジェクトの話をする際、私は自分自身のことを話すのではなく、みなさんがリーダーであると伝えています。みんなと一緒に作り上げるのだと。

佐々木 ストレートにお金を支援してください、というより響きますね。相手の好きなことを考えてコミュニケーションをしましょうということなのかな。