「いざなぎ景気」時の日本と同じ!
中国の大きなビジネスチャンス

 では、中国におけるチャンスとリスクとは、どういったものだろうか?詳しく分析して行こう。

 まずは、中国における「チャンス」の側面だ。中国には間違いなく「世界屈指のビジネスチャンス」がある。13億人の人口を抱え、工業化の初期段階に突入している中国では、今後、一般家計の所得の上昇による購買力の増加が見込める。

 それは、今から約40年前の東京オリンピックから“いざなぎ景気”へと経済成長が続いた当時のわが国を髣髴とさせるものだ。

 当時は、給与が毎年1割程度上がることが普通の状態で、カラーテレビ、車(カー)、クーラーが“三種の神器”と呼ばれており、人々がこぞってそれらの耐久消費財を購入し、それが、生産の拡大という経済の好循環につながっていった。中国は、今まさにそれと同じ状況だと考えるとわかり易い。

 今年に入って、景気対策の一貫として中国政府が補助金を交付したこともあり、人々の洗濯機や冷蔵庫などの家電製品に対する需要は、特に大きく伸びている。

 また、小型車に対する減税措置の実施もあり、自動車の売り上げは凄まじい勢いで増加している。今年は米国を抜き、「世界最大の自動車需要国」となることが確実だ。そのため、世界の有力自動車メーカーは、生き残りをかけて中国市場に注力している。

 そうした耐久消費財に加えて、一般家計の所得水準の上昇に伴い、消費活動も活発化する。それを見込んで、世界の有力小売りチェーンなどが中国に積極的に進出している。

 もう1つ重要なポイントは、中国は「まだインフラ投資が道半ば」ということだ。多くの先進国のインフラ投資がほとんど終了したことを考えると、大きな国土を持つ中国のインフラ投資の需要は魅力的だ。

 そのため、わが国をはじめ、先進諸国の機械メーカーなどが中国市場に殺到している。すでに一部の分野では、競争が熾烈を極めている。わが国企業の担当者にヒアリングすると、「米国経済の下落によって、皆が一斉に飛び込んで来た」との声もあった。

 中国市場に大きな潜在力があることは誰の目にも明らかであり、現在中国市場は世界で最も激しい競争地域の1つと見られる。