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【第92回】 2015年7月13日
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佐々木裕彦 [ネットイヤーグループ取締役 オムニチャネルクラウド事業部長]

企業のメッセージが消費者にまったく届かない時代
「デジタルマーケティング」で何ができるのか

――特別寄稿 セールスフォース・ドットコム「コネクションズ2015」報告

おもちゃがどれくらい使われているかを
知りたい玩具メーカー

 Mattelはバービー人形でお馴染みの世界最大規模の玩具メーカーだ。商品に愛着を持ち、買い続けてもらうためにオフラインとオンラインを横断したマーケティングを行っている。

 ミニカー「Hot Wheels」を例にあげる。今までミニカーを買った顧客がどれくらい遊んでくれているか企業が把握することは難しく、「売っておしまい」という関係にならざるをえなかった。Mattelは、買ったミニカーをスマホでも遊べる仕掛けを用意することで、利用状況や好みを継続的に把握できるようにした。

 まずミニカーのパッケージにQRコードを記載する。オンラインストアで買った商品が到着するタイミングで、スマホにお礼と共にQRコードの読み取りを促すメッセージを送る。スマホでQRを読み取るとレースゲームがダウンロードされ、買ったタイプのミニカーがゲーム上にセットされ遊ぶことができるのだ(写真5、6)。

 Mattelは、Salesforce Marketing Cloudのカスタマージャーニーマップという機能を使い、顧客がジャーニーのどこまで進んだか、ゲームで遊んでくれているかなどを把握しながら、プロモーションの成果を日々分析している。

【写真5】パッケージのQRコードからダウンロードしたゲーム
【写真6】購入したミニカーでレースゲーム

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佐々木裕彦 [ネットイヤーグループ取締役 オムニチャネルクラウド事業部長]

ネットイヤーグループの創業メンバー。近年、大手小売グループのオムニチャネルプロジェクトに参画して以来、企業戦略としてのオムニチャネルの構想策定から実現までに注力。創業からSIPS(Strategic Internet Professional Services)という戦略的にインターネットを活用するためのコンサルティング事業のコンセプトを生み出す。1994年に米国大手広告代理店McCann Erickson社のインタラクティブ部門に参画して以来、デジタルマーケティング、ネットビジネス分野での経験は長い。経営戦略、ブランディング、ユーザーエクスペリエンスデザイン、CRM、Web、ソーシャル、EC、テクノロジー、データ分析まで、デジタルマーケティングに必要な広範囲なナレッジを持ち、多くの大手企業のデジタルマーケティング戦略、Web戦略、デジタル新規事業開発などを支援する。日経BPなどへの寄稿、セミナー実績多数。ニューヨーク市立大学MBA修了。学習院大学法学部卒業。投稿記事「オムニチャネルの世界」


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