IT業界屈指のプレゼンターであり、『プレゼンは「目線」で決まる』の著者である西脇資哲氏から、「どうしても対談したい方がいる」との連絡をいただいた。その人物というのが、株式会社ルネサンス・取締役常務執行役員の高崎尚樹氏だ。ルネサンスといえば、全国にスポーツクラブなどを展開し、フィットネス業界ではトップクラスの企業。
「プレゼンとスポーツクラブに一体どういう関係が?」――少々不安に思いながらも取材に臨むと、そこには意外なつながりが見えてきた。
プレゼンに勢いがありすぎても、
相手がついてこれない…
――本日はよろしくお願いいたします。高崎さんは、以前から西脇さんのプレゼンメソッドの大ファンだとお伺いしました。ルネサンスさんというと「スポーツクラブの会社」というイメージが強くて、どうしてもプレゼンとは結びつかないんですが…、まずはそのあたりからお聞かせください。
高崎:ご指摘のとおり、弊社はスポーツクラブ事業を主体に伸びてきた会社で、私自身、会社の成長や株式上場にメインで携わってきました。
近頃は、行政などと連携しながら健康づくりに関わる事業を進めています。具体的に言うと、たとえば「どうすればみんなメタボ健診やメタボ指導を受けてくれるか」といったことのコンサルティングですね。
業務執行役員/エバンジェリスト
1969年岐阜県生まれ。09年、マイクロソフトに入社。マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。
また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。「年間250講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。
著書に『プレゼンは「目線」で決まる』など。
西脇:あー、私もいつも逃げてます、健康診断(笑)。
高崎:こちらの仕事にシフトして以来、「どうやって人を動かすか」ということを真剣に考えるようになりました。そうなると、急に自分のプレゼンに課題を感じるようになったんですよ。
――じつはとても内気でシャイだとか?
高崎:その真逆です(笑)。関西にいた期間が長かったこともあり、当時の僕はものすごく早口で、しかも断定口調だったんですよ。
そのノリでプレゼンしてしまうと、聞き手が全然ついてこれない。完全にドン引きされていました。
「西脇メソッド」の効果に感動し、
スポーツ業界最大のイベントに西脇氏を招待
高崎:「これはまずい」ということで、プレゼンの本を買い漁って勉強しました。国内で発売されているプレゼン本はほとんど読み尽くしたという自信がありますよ。
すると、「この人はすごい!」という著者が3人いました。1人はデザイン系の人、1人はきわめて実務系の人、そして3人目にしてたどり着いた極め付けが西脇さんだったんです。
西脇:ありがとうございます。
高崎:西脇さんだけがスライド、シナリオ、トーク、すべてを総合的に解説してくれていたんですよね。
それにしたがって実践してみたら、「メタボ指導」の参加者が14.4倍になったりと、具体的な成果が出るようになったんです。
当然、部下や知人にも「西脇さんの本をいますぐ買え」と勧めて回りました
西脇:それでSPORTEC(スポルテック)にご招待いただいたんですね。
高崎:そうです。あまりに感激したものだから、スポーツ・健康業界の国内最大イベントであるSPORTECに西脇さんを講演者として招待しようという話になったんです。私も運営に関わっているので。