西脇:あのときは驚きました。「なんでまたスポーツ業界のイベントから依頼が?」と思いましたよ。しかもパンフレットを拝見したら、ほかの講演者は、アスリートとしてすごい実績がある人だったり、ムキムキのボディビルの人だったりで、明らかにIT業界のエバンジェリストのプレゼンが求められる場だとは思えなかった。

プレゼンの「形式」だけなら
じつはかなり短期的に改善できる

高崎:ですけど、西脇さんをそこに呼んだのには明確な理由がありました。
フィットネスジムのインストラクターたちって、じつはプレゼンテーション下手ではないんですよ。スタジオで人の身体を動かさせるのが仕事だから、ある意味ではプレゼンの本質的なところができている。

でも、その狭い空間から出て、多くの人を前にすると、イマイチになってしまう人が意外に多いのです、私も含めて…。
だから、まず業界の人たちに西脇さんのプレゼンを勉強してもらいたいと考えました。
私もあのあと西脇さんの1日研修を受けましたよね。

西脇:ありがとうございます。8時間のコースまで受けていただきました。

髙﨑 尚樹(たかざき なおき)株式会社ルネサンス 取締役常務執行役員/経営学修士
フィットネスクラブ・介護施設の経営、新規事業、医療・介護機関・他業種等との事業連携を担当。
アベノミクスの健康政策「次世代ヘルスケア産業協議会」では、健康投資WG委員を務め、他関連団体の役員、委員に就任。
健康政策の推進に、企業経営のノウハウであるマネジメントや、マーケティングの手法を活用し、国民の健康増進を推進している。
事業経営と同時に、健康経営の推進や認知症の予防にも取り組んでいる。

高崎西脇さんの研修を受けると、人が生まれ変わるんですよ。
みんな生まれ変わって自信が出てくる。
同じ人が同じ話をしてるんだけど、研修を受ける前とあとで別人になってるんです。

西脇:本当にちょっとした工夫をするだけで、聞き手の受け取り方がまったく違ってくるというのはそのとおりなんですよ。
「何を伝えるか?」という部分についていうと、知識や経験や個人の能力に左右されるのは仕方ないんですが、「どう伝えるか?」、いわゆるデリバリーのスキルについては、練習した分だけ上達します
まずはそこだけでも磨いたほうが絶対にお得なんですよ。

私が伝えているメソッドって、じつはけっこう普通で、よく見てみると誰でもできることばかりだったりします。ただ、そういう小さな努力をやってるかやってないかの違いが、プレゼンって大きいんですよ。

高崎:本当にそう思いますね。とはいえ、誰でもできることを抽出してメソッドにしたのは、西脇さんだからできたことだなと。やっぱり僕のプレゼンの師匠ですよ。

西脇:いや、とんでもない(笑)。