ついに、イスラエル初体験
“勝手な思い込み”の反動
北カリフォルニアでアウディの自動運転車を体験した後、成田で1日半トランジットし、イスタンブール経由でテルアビブに入った。
これまで何度も訪問を考えたイスラエルたが、仕事のタイミングが上手く合わなかったこと、また“勝手な思い込み”によって実現できなかった。“勝手な思い込み”とは、日本人の多くが抱くイスラエルに対するカントリーリスクだ。
実際、今回の1週間の滞在中、eメールやSNSを通じて仕事関係や知り合いと連絡をすると必ず「十分に気をつけてください」「大丈夫ですか?」といった声が多くあった。
隣国シリアではIS(通称イスラム国)の活動を含む同国内戦に対して、解決の糸口は未だに見えない状況だ。また、1年前はパレスチナ自治区のガザ地区を実質的に支配するイスラム過激派組織ハマスとの戦闘が激化。ハマス側は数千発のミサイルやロケット弾をテルアビブの中心部を含むイスラエル各所に向けて発射。それにイスラエルがアイアンドームと呼ぶ地対空ミサイル戦略で応戦した。その時期、テルアビブ市街中心部では空襲警報によって防空壕に避難することが日常茶飯事となった。ハマスとの完全停戦合意がなされた今回の滞在期間中でも、日本の外務省の海外安全ホームページでは、渡航に関する情報として、イスラエルの全土が「十分に注意してください」の黄色表示、テルアビブから西部、エルサレム周辺等には「渡航の延期をお勧めします」のオレンジ色表示だった。
こうした直近の出来事を踏まえると、日本人だけでなく国際社会のなかで「イスラエル=危ないところ」というイメージを持つことは、致し方ないと思う。
だが、実際にテルアビブ、エルサレム、そしてハイフォ等のイスラエル各所を筆者自身でレンタカーを運転して巡ってみたが、多くの観光客やビジネス関係者がイスラエルの魅力を楽しんでいるように見えた。そして、筆者自身が「とても楽しい」と思った。
日本人の99%が生涯で一度も訪れることのない国。そう比喩されるイスラエル。筆者の素直な感想は「食わず嫌いだったな」である。