「こらえ性がないから転職する」
人事部の持つ偏見が採用をゆがめる

 人材開発部長から人事部長へ転職する際は、在職期間が9ヵ月であった。極めて短期間で転職することの世間でいうところのデメリットは、人事にいるので、百も承知であったが、それ以上に、ターゲットとしていたポジションを手にしたいという衝動が強かった。

「短期で退職した会社とは、その後、疎遠になるのでは?」と思われる方も多いのではないかと思うが、その後も、同社の社長はじめ多くのメンバーと交流させていただいており、現会社との協業もさせていただいている。

 短期間での転職について、周囲からは、「短期間で転職することは、履歴書に傷をつける」、「将来必ず後悔する」と言われ続けたが、私には傷ではなく、キャリア形成の証にしか見えない。強がっているわけではなく、後悔をしたことは一度もない。

 そして、どの会社でも、私は人事としてジョブホッパーを採用してきた。IT業界や金融業界など複数企業で、短期で大量採用を実現してきた採用スペシャリスト、ベンチャーを含む企業数社で財務・経理・人事等の経験を積み重ねてきた財務・経理マネジャー、美容業界から人事部門へ短期でキャリアチェンジし、高いレベルのコミュニケーション力で貢献している総務・人事担当者などである。

 ここまでお読みいただいた読者の方の中には、「なんだ、ジョブホッパーがジョブホッパーを正当化し、自分と同じジョブホッパーを採用してきたということか」と思われる方もいらっしゃるだろう。

 私は、ジョブホッパーの全てを採用すべきだと言っているのではない。「ジョブホッパーだという理由だけで、採用検討対象から外すべきではない」、「採用検討対象として、仮に短期でもパフォーマンスを上げたか、貢献したか、キャリア形成できているか、履歴書・職務経歴書を熟読すべきである」ということを、声を大にして言いたいだけだ。

 そして自分が、世間でいうところのジョブホッパーに当てはまりそうだと思う人や、一度でも転職回数を理由に“お祈りメール”を受信したことのある人は、ジョブホッパーこそキャリア開発のモデルであるということを、ご一緒に、身を持って示していこうではありませんか。

※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。