“10年周期説”を無視できない理由
世界経済で続くデフレ傾向

 以前にもこのコラムで書いたが、金融市場には“10年周期説”という見方がある。1987年、1997年、2007年と末尾に7が付く10年毎の年に、世界の株式市場が大きく下落するイベントが発生した。

 87年にはブラックマンデーがあり、97年にはアジア通貨危機、2007年にはサブプライム問題が発生した。この周期を適用すると、今から2年後の2017年に世界の株式市場が変調を来すとの見方だ。

 この周期説を鵜呑みにするつもりはないが、足元の経済状況や米国の金融の金融政策変更の可能性などを考えると、2017年に世界的に株式市場が急落する事態が発生することも、あながち荒唐無稽と片づけられない部分がある。

 そう考える理由の一つは、足元で世界経済のデフレ傾向が続いていることだ。大規模な過剰供給能力を抱える中国の卸売物価指数は41ヵ月連続マイナスで、明らかにモノを売りたい人が買いたい人を上回っている。

 わが国では、日銀が異次元の金融緩和策を取ってデフレ脱却を目指しているが、原油価格の下落もあり、なかなかデフレ状況から明確に足を抜くことができない。また、相対的に期待インフレが高い欧米諸国でも物価水準は落ち着いたままだ。

 そうした状況が続いている間は、世界経済全体が力強く回復に向かうことは難しい。ということは、企業業績の伸び率に限界があり、株価が大きく上昇することは難しいと見るべきだ。

 逆に、そうした状況下で、“バブル”のように株価が急速に上昇するようだと、必ず大幅に下落する局面を迎えることは避けられない。特に、昨年夏場以降、景気減速が鮮明化しているにも拘わらず、株価が1年間余りで2倍以上に上昇した中国株がピークを打って、下落局面に入ることは時間の問題だったと言える。