「根拠なき自信」を糧に成功した女性起業家

 失敗を許容する力は、家庭でも育まれます。

 セニアさんが事例として教えてくれたのが、自力でビリオネアー(10億ドル、約1200億円)の資産家に史上最年少で到達した女性として有名なサラ・ブレイクリーです。

 サラ・ブレイクリーは、ニコール・キッドマンなどのハリウッドのセレブ御用達のスリミングウェアである「SPANX(スパンクス)」の創業者として成功しました。  

 有名女優がレッドカーペットを歩く際に最高のスタイルを演出するアイテムとして、体のラインが見違えるほど変わるボディシェイプ製品を開発。世界30ヵ国で販売し、巨大なビジネスを作り上げたのです。

 しかし、事業を軌道に乗せるまでの道のりは、決して平らなものではありませんでした。その逆境物語は、学歴なし・経験なし・お金なしでもビジネスで大成功を収めることができた現代版アメリカンドリームともいえます。

 実際、サラ・ブレイクリーは、若い頃は弁護士になるのが夢でした。

 しかし、ロースクールの入学試験で不合格となり、衣料品のビジネスを立ち上げることになったのです。衣料業界で働いた経験も、経営を学んだ経験も、起業した経験もなく、あったのは5000ドル(約60万円)の貯金と、自分は成功できるという「根拠なき自信」だけだったのです。