自分に自信が持てない人が増えています。自信に欠けると、仕事もキャリアも前に進まず、停滞してしまいます。では、どうすれば成功のための自信を手に入れられるのか? その答えは、最近注目を集める「レジリエンス」にあります。本連載では、『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』を上梓したレジリエンス研究の第一人者である久世浩司氏が、最短最速で自信をつけるための思考と習慣ついてお伝えします。第4回のテーマは、根拠なき自信家に共通する3つの心理的資源のうち、2つ目の「自己肯定感」について解説します。
日本の若者の自己肯定感は、世界でも最低レベル
「根拠なき自信」を持つうえで、2つ目に大切な心理的資源が「自己肯定感」です。もし、皆さんに下記のような傾向があれば、自己肯定感が低下しているのかもしれません。
・仕事でチャレンジする場面で「自分には無理」と消極的にあきらめてしまう
・知人や同僚と比べて自信をなく「どうせ私なんて」と劣等感をもってしまう
・自分には人に誇るような長所や強みはないと考えてしまう
自己肯定感(または自尊心)とは、その言葉の通り、失敗やうまくいかないことがあっても過剰に自己否定せずに、自分の価値を保つことができる心の状態をいいます。
この自己肯定感は、バランス良く保つことが大切だと考えられています。なぜなら、自己肯定感が低下すると、うつ病の症状の原因になるリスクがあるからです。実際、自己肯定感の低さと抑うつ症状は高く相関することがわかっています。
しかし、残念ながら日本人の中高生の自己肯定感は、世界でも最低レベルと言われています。以下の図表を見てください。米国・中国・日本の高校生に、
「私は価値のある人間だと思う」
「私は自分に満足している」
「自分を肯定的に評価するほうだ」
といった自己肯定感に関する質問をしたところ、日本人の数値が著しく低いことがわかりました。
学校を卒業して社会に出た若者も含め、私たち日本人の多くが自己肯定感に課題を持っていることが考えられます。とくにグローバルな環境で働くときに、その問題が露呈するのではないでしょうか。