多様化する社会だからこそ「人間関係力」をつけておきたい
別の大学の先生からは、研究成果の中から「大学時代に豊かな人間関係を重視した人は、組織社会化において正の効果がある」、「大学時代に多様なネットワークを持っていた人ほど、組織社会化に正の効果がある」という指摘をいただきました。
これはまさに企業人である私たちが実感するところです。「組織社会化に正の効果がある」というのは、いってみれば「会社に入ってうまくやっていける」ということです。
ここに大学生活のよりよい過ごし方、内定時期の過ごし方のヒントがあります。
大学の社会のギャップが拡大した要因のひとつとして、大学では人間関係などの同質性が高いままであるのに対し、社会における多様性は大きく高まってきたことが指摘できます。就職後、多様性に対応するために、大学時代の人間関係のあり方は実に大切です。
大切なのは、大学生も企業もこの「内定時期というトランジション」を自分なり、自社なりに、どのような意図をもってデザインするかということです。
事例は参考にはなりますが、それをパクるだけでは十分な成果は得られないでしょう。自分、自社ならではの発想のもと、オリジナルな内定時期のデザインが必要です。
これは、私たちが1人の人間としてのキャリアをデザインする際に、他人の完全なコピーをしてみても仕方がないとの同じです。そして、内定時期が短くなったが故に、そのデザインは難しくなっています。
2016年度新卒社員の早期離職率が従来よりも高くなってしまったとしたら、今年の就職活動のスケジュールの変更と、それに対応しきれなかった「内定時期のデザイン」の問題が理由かもしれません。そうはならないように徹底的に考え、取り組みましょう。