──今回の取り組みを、危機感をもって受け止めている中小の書店もありました。紀伊国屋書店以外の書店も委託ではなく買い切りで仕入れているのに、利益率が低いという不満もありました。

 出版流通では、取次と出版社の力が非常に強く、歴史的に書店は弱かったのです。当社としては、他の書店がいっしょにやるというならば、われわれの門戸は開いています。それは、経営を共にということではなく、商品の調達をいっしょにやるということです。他業界の小売業がそうしているように、書店も小売としての力を強める。そのために、買い切ったり、卸売をしたりするということです。

 繰り返しますが、そのための門戸は開いています。今回は、関東を中心にした主要書店に限られていました。今後は、県単位になっている書店組合が、(傘下の書店を)まとめて(共同調達の枠組みに)参加すればいいと思います。ただ、取次からの圧力は相当あるでしょう。それを跳ね除けてくれないといけません。

 今回、他の書店の利益率が変わらなかったのは、取次がマージンを取るからです。それが嫌だから、当社から直接、買いたいという書店もあります。そこは取次とどう付き合うかということです。自分の書店が小さいなら、書店組合でまとまればいい。取次は買取でも、委託でも、マージンはしっかり取ります。

 今後もスピードを上げて、いろんなことをやっていきます。地方の書店も考えないといけません。主力だった雑誌が売れなくなったのですから、流通を改革していかないとうまくいかないでしょう。そういう中で、当社も手伝いができればいいと考えています。

──電子書籍の販売はどう取り組みますか。

 当社の電子書籍アプリ、Kinoppy(キノッピー)は読みやすさでは高い評価を受けています。

 ところが、(海外にサーバーを置くアマゾンなど)競合他社から日本の消費者が電子書籍を購入する際には、(インタビューを実施した9月28日現在は)消費税が非課税になっています。8%のハンデは大きい。公平に課税がなされて、同じ土俵に乗らない限り、Kinoppyがナショナルブランドと言えるものにはなれないでしょう。

 本屋での電子書籍の販売にも引き続き力を入れていきます。本屋の持つ力で、電子書籍も売っていきます。