サラリーマンの副業には打撃!
海外では犯罪抑制効果も

 また、サラリーマンであっても、副業をしている人は、きちんと申告をする必要があります。先に触れたネット通販業者などは、サラリーマンが副業として運営しているケースも多い。脱税が目的で申告しないケースもありますが、「会社にバレたくない」という動機も少なくないようですね。

――100万、200万程度の小さな副業なら、税務当局もいちいちチェックできずに見逃すだろう、と考える人もいそうですが。

 現状なら、見逃されることもあるかもしれません。しかし、マイナンバーによって、パソコンのクリック1回で口座内容が閲覧できるようになればどうでしょう?私は、見逃さないようになるのではないかと思います。申告すべき人は、きちんとした方が無難です。

――なるほど。やはり、後ろめたい何かを抱えている人たちにとっては、導入はイヤでしょうね。

 そうですね。実は、海外ではマイナンバー制度をすでに導入している国は多い。たとえばドイツ、米国、スウェーデン、オーストリア、フランスなどです。ホテルの部屋に泊まるとき、マイナンバーカードを提示しないと泊まれないという国もあります。部屋で急死されたり、犯罪が起きたりしたら、ホテルも困りますから。

 日本でも、たとえば工事現場などで身分を隠して働くことは難しくなりますから、犯罪抑止効果はあるのではないかと思います。

 マイナンバー制度がどんな内容なのか、そして自分の生活にどう影響するのかを冷静に見極めれば、普通に生活をしている限りは、嫌がるものではないことが、すぐに分かると思います。むしろ大きなメリットがあることを、ぜひ知っていただきたいものです。


おおむら・おおじろう

大阪府出身。元国税調査官。国税庁で10年間、主に法人税担当調査官として勤務し、退職後、経営コンサルタント、フリーライターとなる。主な著書に「決算書の9割は嘘である」(幻冬舎新書)、「税金の抜け穴」(角川oneテーマ21)など。新刊本「マイナンバーで損する人、得する人」(ビジネス社)も好評発売中!