勉強は本来楽しいもの

出口 予備校でもまず勉強法から教えていましたよ。そもそも、ほとんどの人が、「現代文は日本語だし、わざわざ勉強する必要がない」と思っていて、小学校から12年間現代文を勉強していながら勉強法がわかっていないんです。

佐藤 確かに、そう思い込みがちですよね。

出口 国語はフィーリングやセンス、感覚だと思っている人が多いけれど、実際には論理の教科で、真逆なんですよね。だから、まず考え方を180度変えることから始めなくてはいけない。

佐藤 私も予備校時代に先生の本を読んで、現代文って分析が必要なんだなと痛感して。実は論理の教科なんだと気づかされました。

出口 日本人は、子どもの頃からたくさん勉強してきているのに、意外と正しいやり方を知らないんですよ。努力とか根性とか言われて、それでいい大学に入ったとしても、一生間違った勉強法のまま。そしてそれをそのまま次の世代に教えていくから、悪循環になっちゃうんですよね。

佐藤 私も根性論は否定しています(笑)。塾講師をしていたときに、よく親御さんから「何時間勉強すればいいですか?」と質問されましたが、そもそも時間でしばるから子どもたちは苦痛になってしまう。

 私は、今回先生の本を読んでいちばん共感したのが、「勉強は本来は遊びだった」という一文なんです。

出口 いや、本当にそうなんですよ。勉強の本質は遊びにあるから、無理やり詰め込んでもその場限りで、本当の学力はつかないと私は思っています。

佐藤 本来の楽しいもの、ワクワクドキドキしながらやるものという根本が抜けてしまって、「やらなければいけない」になってしまったら、結果もついてこないですよね。

出口 そう。逆に楽しければ、自然と必要な知識はついてくるものなんです。