発売1ヵ月強で、4刷2万4000部となった『ずるい暗記術』。この暗記術は、忘れることが前提です。ですから、その量を上回るために、記憶の定着率を高めていかなければなりません。
前回、100点を目指さないことをお伝えしましたが、最初からすべてを暗記する必要はありません。暗記術は、イメージがとても大事です。そのイメージは、「マル」ではなく、「なると」です。いったいどういうことでしょうか。
第1章「『理解』せずにひたすら『答え』だけを見る」より、一部抜粋して紹介します。

記憶の幅をうずまきのように広げていく

 最初からすべてを暗記しようとしても、人間の脳には限界があります。「覚えられない」というマイナスの感情も、大きな足かせになってしまいます。

 自分が覚えられる最小限の量を出発点にするのが肝心です。
 

 頭の中で、「うずまき」をイメージしてみてください。そう、ラーメンにのっている「なると」のような形です。中心の小さな点から始まって、外側に向かってうずを巻きながら広がっていますよね。

暗記も、このうずまきのように最小からスタートし、思い出す作業を繰り返すことによって少しずつ記憶の範囲を広げていくのです。

 頑張っているのに結果が伴わない人は、一から十まで、最初からすべてを覚えようとしているのではないでしょうか。

 そういう人の暗記法のイメージは、うずまきではなく、大きなマルです。そのマルを何回も、きれいに書こうとするから負荷ばかりかかってしまうのです。しかもマルは閉じているので、範囲は広がっていきません。

 うずまきなら遠心力で回っていくので大きな負荷もかかりません。ムダな力を使わず、ラクに、外へ外へとどこまででも広がっていくことができます。

 ここでは、あくまでイメージだけです。

 うずまきを思い浮かべながら、記憶の幅が少しずつ広がるイメージを大事にしましょう。