熊谷智宏(くまがい・ともひろ)
我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに2500人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に『絶対内定』シリーズがある。(撮影/宇佐見利明)

  まとめると、
・1~3月は外資、ベンチャー、中堅企業の選考
・3~6月は大手企業の選考

  過密なスケジュールが年始から待ち受けている。

水面下の選考も激化する

   激化するのは、ここまでで解説した「表向きの採用」だけではない。「水面下の採用活動」も行われる。インターンシップ、OBOG訪問、リクルーター面談、説明会など、企業との接点がすべて採用の場となっている。こうした活動は、2016年卒でも行われていた。

  参考までに、就職活動を終えた4年生の体験を紹介しよう。

「インターンシップに参加した学生の中で、能力を認められた学生は、選考なしでいきなり内定をもらっていた(東京理科大学 男子学生)」
「インターンのグループワークで優勝したチームメンバーは全員、選考の一部が省略された(上智大学 男子学生)」
「説明会を機に、リクルーターの方が定期的に連絡をくれるようになった。そこからは2週間に1回会社に呼ばれ、人事や社員の方と会っていた。内々定は面接の解禁日に即日もらえた。(立教大学 男子学生)」

  表向きの選考活動だけでなく、企業との接点はすべて選考になる。結果的に短期決戦になった2016年卒の採用活動。限られた時間の中で、学生も企業もマッチングをしなければなくなっている。時間がないからといって、おろそかにはできない。一つひとつを真摯に取り組んでいきたい。

自己分析を最初に、年内から行おう

では、この変化の中で、学生はどのように動けば良いのだろうか。
この記事を書いているのが2015年12月なので年始まであと1ヵ月だ。その間に、自己分析を納得がいくまで、集中してやろう。だらだら長期間やりすぎるのはよくない。期間を決めて「その期間中に考え抜いた結論を信じる」というスタンスが大事だ。志望企業を決めて、可能な限り早く動き出すことを大切にしたい。選考は、はじまっている。