弱い結びつきの人からの情報が重要なのは、起業であっても、転職であっても同じだ。特に起業に関して言えば、会社の中以外の付き合いがない人には、私は99.9%無理だと思う。社外の付き合いでも、仕事以外の付き合いであるほうが望ましい。まさに、「弱い紐帯」が真価を発揮する。

 学生に「どうやって人脈を作るのか」と聞かれて困ることが多い。前述したように、人脈は作ろうと思って作れるものではないからだ。ところが、いくらそう言っても、多くの学生は納得しない。

 そうなると、「弱い紐帯」の重要性も理解できないと思う。人脈づくりに前のめりの人にとっては、すぐに役に立たない「弱い紐帯」の人間関係は、人脈ではないからだ。しかし大切なのはむしろ「弱い紐帯」の方だ。弱い紐帯には妙な利害関係が生じない。だから、そこからもたらされる情報は、客観的で有意義な場合が多い。このことを忘れてはいけない。

 そのことをわきまえて、損得勘定抜きで魅力的な人に関心をもって近づけば、利他の心を忘れなければ、名刺交換から、有意義な「弱い紐帯」が生まれることもあるはずだ。

40代は、人脈づくりにとって
大切な年代だ

 一言、注意をしておくが、ビジネスや自分の欲得のために人脈を増やしたいと思う人はアウトだが、ある計画のために、具体的にある人に相談を持ちかけるのはまた別な話だ。ここで言っているのは、具体的な目的や計画もなく、ただ漠然と自分の立身出世や成功のために人脈に誰かを加えておきたいと思って前のめりに、いわば勧誘をして歩くことだ。