仕事で成果を出すために「人脈」は必要でしょうか。それとも、人脈などなくても、十分に結果を出すことは可能でしょうか。
社内外に華麗なネットワークがあると素敵にみえるもの。実際、「○○さんと面識があります」などと自分の持つネットワークを嬉しそうに自慢する人に会う機会が多々あります。このような人たちは、まさに「人脈こそ仕事の原点」と考える肯定派。交流会で積極的に名刺交換などをして、人脈の開拓に余念がありません。
一方で、忙しく現場の仕事に追われていることもあり、「人脈なんて不要」と否定的な意見を持っている人も少なくありません。
では実際、人脈は仕事においてどれほど重要なものでしょうか。今回は、職場における肯定派と否定派のギャップをみながら、「人脈の必要性」について考えてみましょう。
“半径5メートル以内の人脈”で
なんとなく毎日を過ごす人が多くないか
仕事を淡々とこなすだけでは人脈は広がりません。むしろ、人脈が固定されてしまう可能性が高いといえます。
インタビューさせていただいた半導体メーカーで経理部に所属するDさん(32歳)によると、
「飲みに行くのは半径5メートル以内の同僚ばかり」
とのことでした。
そんなDさんも社会人になったばかりの頃は、学生時代の友人とのコンタクトが頻繁にあったといいます。
「まったく、うちの先輩は何を考えているのか。よくわからないよ」などと、不満や悩みをぶちまけていたそうで、お互いにありがたい存在だったことでしょう。
ところが、時間の経過とともに仕事が多忙になり、学生時代の友人たちとは疎遠になっていきます。学生時代のように「長期間の休み」なんて互いにありません。普段は業務に忙殺されて、「ゴメン、仕事があるのでまたにしよう」と日程調整が物理的に困難を極める状態になりがちです。
こうなると新たな友人が増えるどころではなく、職場の人間関係にドップリはまってしまいます。営業職になら一応、「新たな出会い」はありますが、普通に仕事をしていると意外な程に人脈は増えないものなのです。