人事異動、リストラ、企業再編…
そんな時、秘書はランチに誘われる

 直接的に目の前で起こるのを目撃することもありますし、また、間接的にメール上のやりとりの中で触れたりしますが、「口が堅い」ことが秘書の鉄則ですから、それらのことについて、一切他言することはありません。

 それゆえ、トップマネジメントの方々が、どのように「パワーゲーム」に対応しているのか周囲に知られることがないのでしょう。ますます気になりますよね。その世界に踏み入りたくないけれども、垣間見てみたいという人間の心理が働くのかもしれません。

 また、秘書のほうも気をつけておかなければなりません。

 つねに、職場の人間関係を把握しておく必要があります。また、「この人とは、どのぐらいの距離を保って仕事を進めていくのがいいのか」を判断しなければなりません。

「職場の社員みんなと仲良く」という感覚で、どんなことでも(たとえそれが不合理なことであっても)、「はい、はい」と言いながら仕事をしている秘書を見かけることがあります。

 それでは、社長秘書はつとまりません。

「みんなからいい人に思われたい」「嫌われたくない」という思いがあるようですが、社長秘書として真摯に仕事に向き合う人は、いつの日か「八方美人」ではいられない、ということに気づくでしょう。

 たとえば、他部門の人たちが、秘書を誘惑して、自部門に有利に働いてもらえるよう近づいてくる人もいます。

 また、社内で大きな動きがありそうな時、事前に察知した人が、秘書をランチに誘い、事情を巧みに聞き出そうとする人もいます。そんな時、どうすればいいのでしょうか?

 優秀な秘書の人たちは、次のように言います。

 「人事異動が発表される頃は、一人でデスクランチをすることが多いですね」
 「リストラが発表されてから半年間、ずっと一人でランチをとっていましたね」
 「企業の吸収合併が噂されるようになってから、一人でランチをとるようにしていました」

 これらの発言が、何を意味しているのかおわかりでしょう。秘書の「在り方」が問われる時です。