「ヘンタイ美術館」とは、美術評論家・山田五郎さんを館長、ズブの西洋美術シロウト・コピーライターこやま淳子さんを学芸員見習いに見立てた架空の美術館。
美術に興味はあるけれどどこから入っていいのかわからない、という方々に向けた、西洋美術の超入門・連載です。こちらの連載では、書籍『ヘンタイ美術館』から内容をピックアップしてお届けします。今回は、「ダ・ヴィンチの愛人は小悪魔ダメンズ?」です。 

ダ・ヴィンチの愛人は
小悪魔ダメンズ?

山田 ここまで見てきたように、ルネサンス美術の頂点を極めた二大巨匠といえば、ラファエロとミケランジェロなんですよ。ラファエロはルネサンスの優美さ、ミケランジェロはルネサンスの力強さを極めた巨匠として、西洋美術のお手本になった。そうなると、じゃあダ・ヴィンチの立ち位置は?ってなりますよね。

こやま ダ・ヴィンチの役目がなくなっちゃうわけなんですね?

『洗礼者ヨハネ』1508-1513年頃ルーヴル美術館、パリ

山田 そうなんですよ。でもそれは、彼が別格の存在だったから。
その偉大さを解き明かす前に、まずはダ・ヴィンチの好みのタイプを見てみましょう。これ、ルーヴルにある『洗礼者ヨハネ』なんですけど、サライというあだ名のお気に入りの弟子がモデルといわれています。つまり、こういう感じの男性がタイプだったわけ。

こやま またミケランジェロとは好みが違いますね。

山田 そう。ダ・ヴィンチの好みは一貫してて、
中性的な美少年

こやま へええ。