本当に「アレをつくったオレ」は
仕事をすればすぐわかる

 仮にアレオレ詐欺で入社できたとしても、その先は大変です。一緒に仕事をすれば実力が見えてしまい「本当にこの人、あのサービスを立ち上げた人なのかな……」と疑われてしまうからです。

 以前、ある有名なレジャー施設を立ち上げたと自称する方と一緒にお仕事をしたことがあります。しかし、輝かしい実績にしては仕事ぶりが今一つで結局、いつの間にかフェードアウトしていきました。彼がアレオレ詐欺を働いていたのか、それとも旬が過ぎて能力がさびついてしまったのかはわかりませんが、非常に違和感があったのは確かです。

 一方、本当に有名なサービスや製品をつくった人が私の身近には何人かいますが、一緒に仕事をすると、仕事のスピードや目の付けどころ等々で「これは本当に凄い人だ」と感じさせられます。アポの取り方一つをとっても気持ちよいくらいの素早さで、こちらも緊張感をもって仕事に臨まなければなりません。

「オレできる詐欺」には
不幸な結末しかない

 アレオレ詐欺と似た話に「オレできる詐欺」があります。たとえば、「あの会社にはパイプがあります」「この分野の企業はずっと回ってきました」といった、採用する企業側からみると即戦力の匂いがする人です。

 すると経営者は「この人が来てくれたら3000万円は売上が見込めるだろう」「いままで開拓できなかった分野から受注してくれそうだ」と皮算用して採用するわけです。しかし採用して実際に動いてもらうと、その会社や分野とつながりがあるのは嘘ではなかったものの、ビジネスになるほどの強い関係性はなく、たいした成果を出せずに終わってしまう。こんなケースを見かけることがあります。

 アレオレ詐欺にせよオレできる詐欺にせよ、共通しているのは入社してからの命が短いことです。入社当初に期待された成果水準に対するパフォーマンスがあまりに低ければ、よほど状況が変化しない限り本人の肩身は狭くなり、早々に退職へ追い込まれるのです。

 とかく面接で候補者は耳障りのよいことを話そうとしがちです。しかし話を盛ってもたいていは見破られるし、入社できたところで不幸な結末しか見えません。やはり面接では、事実をきちんと伝えることが大切です。