中国メディアの報道によれば、ある航空会社の幹部が「今回公式ショップを閉鎖しましたが、これはシグナルのつもりです。非正規の代理業者には我慢がならないと我々は考えており、今後も同じようなことが続くのであれば更なる行動を起こします」と取材に行った記者に明かした。

 そこから発生する痛みも覚悟している。

「短期的に見れば販売に影響が出るかもしれませんが、痛みが長く続くよりはましです」と同幹部が言う。

直販比率を増やしたい
航空会社には反撃の絶好機

 Qunar.comとの「開戦」の背後には、もう一つの動機がある。Qunar.comに奪われた顧客を奪回しようと燃える各航空会社の決意だ。もともと航空会社では直接販売による航空券は25%前後だったが、ここ数年は航空会社の公式サイト、アプリ、微信(WeChat)などでの直接販売が強化されており、その直販航空券の割合を全航空券の50%まで引き上げようとしている。

 昨年より、航空需要の回復と燃料コストのダウンもあって、ある程度経営に好条件が揃った航空会社では顧客奪回のため新たなルールを制定する動きが活発化している。たとえば、中国国際航空では航空券購入者の連絡先を提供するよう販売代理業者に求め、提供を拒んだ場合は航空券1枚あたり2000元の罰金を課すとしている。

 ちょうど、そこでQunar.comの悪質すぎる販売手法に対して、顧客の不満が爆発寸前になっているのを見て、行動を起こす絶好のタイミングだと判断した航空会社は、申し合わせたようにQunar.comの封殺作戦に出た。まあ、Qunar.comにとっては一種の天罰と言える。

 私の批判記事は発表のタイミングが良かっただけのことだ。もちろん、ジャーナリストとしての嗅覚は間違っていないことも運を後押ししてくれた。

 四面楚歌の苦境に陥ったQunar.comの創立者・庄辰超氏が1月4日の夜、辞職すると正式に発表し、CEOというポストを手放した。財務と会社運営を担当する主要幹部の2人も首を切られた。

 Qunar.comの中国語ネーミングは「去◯儿網(去[ロ那]儿網)」となっている。意味は「どこへ行く?」というものだ。新年早々の騒ぎを見て、人々は思わずそのQunar.com自身がこれからどこへ行くのか、と心配している。