佐藤 バーンスタイン助教授はリーダーシップと組織行動、ビュエル教授はサービスオペレーションの専門家ですが、お二人はどのようにテッセイのケースを教えているのですか。

バーンスタイン いまのところ、各々が受け持っている授業で教えていますね。二人一緒に教えたことはないですね。そのうち、そういう機会があればうれしいですけれど。

ライアン・ビュエル Ryan W. Buell
ハーバードビジネススクール助教授。専門はテクノロジーとオペレーションマネジメント。MBAプログラムでは、必修科目「テクノロジーとオペレーションマネジメント」と選択科目「サービスオペレーションのマネジメント」、エグゼクティブプログラムでは「サービスオペレーションのマネジメント」を教える。サービス分野におけるビジネスと顧客との相互作用と、オペレーションの選択が顧客の行動と企業の業績に与える影響を主に研究。ハーバードケネディスクール・パブリックリーダーシップセンターの行動洞察チームにも所属。最新の執筆ケースに“Trouble at Tessei” (Harvard Business School Case 615-044, January 2015)がある。

ビュエル 私も、一度、イーサンと一緒に教えてみたいです。

バーンスタイン 授業内容でいえば、お互い専門が違うので、焦点のあて方は少し違っていると思います。もちろん本質的なところは共通していますが。

佐藤 ビュエル助教授は、どの授業でテッセイのケースを教えていますか。また学生やエグゼクティブの反応はいかがだったでしょうか。

ビュエル 「サービスオペレーションのマネジメント」という2年生の選択科目で教えています。卒業後、サービス系の企業で働きたいと思っている学生が多く履修している科目です。

 テッセイのケースを第1講で取り上げたところ、反響がものすごくて、テッセイが学生たちを魔法にかけたのか、と思うほどでした。その後、学生たちは、他の事例を扱った授業でも「テッセイから学んだこと」を繰り返し発言しました。エグゼクティブプログラムでも同じような反響です。とにかく、テッセイは人々を感動させるすごい事例になっています。

 最初は学生やエグゼクティブたちも、「清掃会社の事例なんか自分たちには関係ない。何が電車の清掃会社から学べるのだろう」という感じだったのです。このケースはあまり自分たちとは縁がなさそうな会社の事例だ、ととらえているように思いました。ところが議論を重ねていくうちに、授業の終盤には、「これは自分たちも参考にすべき普遍的な事例だ」ということに気づき、皆、テッセイの事例を賞賛しはじめます。その変化には教えている私も驚くばかりです。