一流ビジネスパーソンや企業のトップが研修に通うほど、リーダーシップや説得力をもたらすのに「声」は重要視されています。性格や習慣をすぐに変えることはできませんが、声はすぐに変えられます。そして、声の改善で仕事の成果が上がることが科学的に実証されているのです!
今回、250社超の研修実績、3万人が受けた声のビジネス研修を読んで学べるボイスレッスンとして1冊にまとめました。新刊『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』より、「1分間声トレ」を動画付きで紹介します。
早口は究極の時間のロス!?
商談でお客様に向かって説明するときや、プレゼンテーション・会議で発表するときなどに、どうしても早口になってしまう人はいます。
特にコンサルタント業の人や経営者に多いのですが、息つく暇もなく、まくし立てるように早口でしゃべる傾向にあります。
頭に浮かんだことを次々と話そうとしているのに、口が追いついていかず、一つひとつの言葉が不明瞭になったり、語尾が消えてしまったりしている人がよくいます。
それでは相手にとって聞き取りづらいですし、せわしない印象を与えてしまいます。
せっかくいい話をしても、早口のあまり相手に伝わりづらいのではもったいない。
早口で聞き取りにくい声になってしまう一つの原因は、声が安定していないことにあります。
たとえば、アナウンサーが読む天気予報を思い出してください。
「東京地方、明日は晴れてさわやかな空が広がるでしょう」
一つひとつの単語にはきちんとイントネーションをつけているものの、声のトーン全体としては大げさな抑揚はなく、最初から最後まで一定の強さに保たれているはずです。
一方、早口で聞こえづらい人は、声のトーンが一定ではありません。
出だしが強く、そこからだんだん弱くなり、語尾は小さくなる。その繰り返しになっていることが多いようです。
一定の強さで声を出す
実際に自分のしゃべりが安定しているかどうか、確かめる方法がありますのでやってみましょう。
(2)「シ―――――――――――――」と息の続く限り声を出す。
これを25秒間、一定の声で続けられたら合格です。
でもほとんどの人は、長くても20秒程度しか続けられなかったり、どんどん声が弱くなっていったりします。
25秒息が続かなかった人は、息を多めに吸って、再度挑戦してみてください。
このとき、胸式呼吸だと肩のあたりに力が入ってしまうので要注意。
あくまでも腹式呼吸でやることが大切です。
最低2回やれば、一定の強さで息を吐く感覚がつかめるはずです。
あとは、その調子を意識しながらしゃべるだけ。
以前よりもずっと聞き取りやすい話し方になっているはずです。
普段どうしても早口になってしまう人、語尾が消えて相手に聞き返される人は、このトレーニングをやってみてください。