技術は進化し続け
後戻りすることはない

 そんな中、4Kの普及に注力する企業がある。「ひかりTV」事業を展開するNTTぷららだ。同社はクローズドな光回線(一定の通信速度が出る回線。映像が遅延して、”カクカク”することがない)を通じて、地上デジタル放送や多チャンネル放送などの放送サービスを提供しており、同時にビデオオンデマンド(VOD、好きな時に好きなコンテンツを選んで見られる)も提供している。同社の板東浩二社長はなぜ、4Kに注力するのか。

NTTぷららは光回線を持つ強みを生かして4K市場に参入。独自コンテンツ作りにも力を入れている

「理由は簡単、当社は光回線を通じてサービスを提供しています。日本では数少ない、4K映像を難なく送信できるシステムを持っているのです」

 NTTはインフラ企業だ。板東氏は携帯電話が「移動体通信」と呼ばれていた1980年代、現在NTTドコモの社長をつとめる加藤薫氏らとともに普及を担った経歴を持っている。板東氏は、当時の経験から学んだことがある、と言う。

「技術は進化し続け、絶対に後戻りすることはありません。例えば2004年に、当社が『ひかりTV』の前身となる『4th MEDIA』の事業を始めた時、まだ光回線を導入している家庭はわずかでした。社内の議論でも『映像配信事業への参入は時期尚早』という声が多かった記憶があります。しかし私は、多チャンネル化、オンデマンド化は必ず進むと確信を持っていました。やはり、様々なチャンネルがあって、さらに好きな時に好きなコンテンツを見ることができれば、便利で楽しいですよね」

 一度、次世代の機器を体験すると、人は後戻りはしないのだ。

「同時に、弊社は『マーケットはつくるもの』という考えで動いています。我々は14年10月には、国内初の4K商用サービス(VOD)を開始していますが、4Kのコンテンツはまだまだ少ない。それならば、コンテンツを制作してしまおう!と考えているのです」