原油下落は米国経済への懸念を高める
わが国にとっても大きなリスク

 原油価格は、昨年末から1月中旬までの期間だけを見ても、20%程度下落した。ただ、価格下落が顕著なのは原油だけにとどまらない。鉄鉱石や銅をはじめ、多くの天然資源や農産物の価格が下落している。こうした急落は、“資源バブル”崩壊との表現がふさわしい。

 資源価格が軒並み大きく下落すると、世界経済にも大きな影響が及ぶことは避けられない。

 インドやわが国など、エネルギー資源を輸入に頼っている国では、ガソリン価格の低下や生産コストの低下を通して消費の下支えにつながる。

 しかし、冷静に考えると、逆オイルショックのマイナス面も大きい。原油価格が下落すればエネルギー関連企業の業績、財務内容に対する懸念が高まりやすい。それは株式や社債の価格を下落させる。

 すでに米国では、シェールガス開発のブームに乗って発行された非投資適格級の社債(ジャンク債)の価格が大きく下落している。投資家のリスクオフの動きを通して、同国経済に対する懸念を高めるマイナス要因だ。

 米国景気に対する懸念が高まると、それが牽引する世界経済の先行きに黄色信号が灯ることになる。特に、米国には大手エネルギー関連企業も多く、原油価格の下落は米国株式市場の足を引っ張る要因になる。

 そのため、原油価格の下落が、世界の金融市場に急速なリスクオフの動きもたらす可能性は高い。その場合、為替市場ではドル高の巻き戻しによる円高が進むことが想定される。円安がこれまでの企業業績、株価の上昇を支えてきたことを考えると、逆オイルショックは、わが国にとっても大きなリスクになり得ると考えるべきだ。