世界経済が大きく動揺している。この変化を利用して、日本の実体経済を成長させることができる。

 それは、資源価格が下落しているからだ。これは、日本経済に対する未曽有のボーナスである。物価の引き下げを通じて、これを実質消費の増加につなげることこそ、新しい時代の成長パターンでなければならない。

資源価格下落は経済にマイナスではない
日本は最も大きな利益を受ける

 現在、金融市場で生じている様々な動向は、経済活動にマイナスの影響を与えると考えられることが多い。

 しかし、日本の立場、とくに消費者の立場から見れば、まったく異なる評価が可能だ。

 株価の下落が、株式保有者にとって大きなマイナスであることは間違いない。しかし、実体経済の立場から見れば、さして重要なこととは思えない。

 これまで、日本の株価は、実体経済の動きとは乖離して上昇していた。だから、下落局面になっても、実体経済には大きな影響を与えない。

 原油価格をはじめとする資源価格の下落も、マイナスであるという意見も多い。しかし、資源価格下落が経済に与える影響は、国や産業によって異なる。

 産油国にとっては間違いなくマイナスであるし、新興国は資源輸出に依存している度合いが大きいから、大きなマイナスの影響を受ける。経済は減速し、これまで投資されていた資金が流出するため、株価が下落し、通貨は弱くなる。

 アメリカの場合は、やや複雑である。アメリカは産油国であり、石油の輸出国である。とりわけシェールオイルについては大変大きなマイナスの影響だ。他方で、アメリカはガソリンの大量消費国であるから、ガソリン価格の低下はアメリカの国民にとっては望ましい。

 日本は資源輸入国なので、ほとんどの企業活動や消費者の立場から見て、プラスの効果がある。

 とくに通勤を自動車に依存している日本の地方都市にとっては、大変大きな利益である。ガソリン価格が低下すれば、その分を他の商品に回すことができるだろう。

 日本は資源価格の下落によって利益を受ける典型的な国だ。