「エコ」の美名の裏側は…
不採算にあえぐリサイクル業者たち

 ダイコーは従業員50人ほど。前身の「ダイキン」はもともと運送業がメインだったそうだが、1996年に食品廃棄物の中間処理業者として県から認可を受け、「食品リサイクル」への参入を果たす。この時の目玉は、牛乳などの乳飲料を飼料に変えるという、いわゆる「エコフィード」。回収した牛乳を1日48トン処理できる工場を建設したと誇らしげに発表し、地元紙などでもニュースになっている。当時の大西会長の言葉からは、今のような悪行に手を染める気配はまったく感じられない。

「廃牛乳とはいうものの、腐っているわけではない。栄養分もあり、家畜などには、有効なリサイクル製品になる」(朝日新聞1996年6月5日)

 このような「食品リサイクル」に対する高い志が、なぜ15年後に「処理費用をかけずに利益が得られるので、魔が差した」という風になってしまったのか。それこそご本人にしかわからないことだが、「食品リサイクル」をめぐる厳しい環境も無関係ではないだろう。

 2000年代に入ると、大企業の多くが環境への配慮をひとつの大きな柱として位置付け、国も自治体もその取り組みを応援することになった。そう聞くと、「食品リサイクル」も大忙しになったと思うかもしれないが、スローガンと現実には大きな隔たりがあった。

 世の中が「エコ」「リサイクル」の大合唱のさなか、実は食品リサイクル業者がやせ細っていくという皮肉な現象が起きていたのだ。

 原因は、食品残渣(ざんさ)の回収料だ。飼料として販売をするとはいえ、工場などの設備投資を賄うためにはどうしても、自治体の焼却手数料よりも割高になってしまうこともある。そうなれば、シビアな経費削減を強いられる飲食店やスーパーは自治体に処分を依頼する。結果、リサイクル業者が採算割れで苦境に追いやられるという現象が起きていた。

 全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の会長も務める株式会社日本フードエコロジーセンターの高橋巧一代表取締役も言う。

「1つの工場単体で黒字化している事業者が少ないことは事実。この一番大きい要因は、受入単価の低さにあります。例えば、焼却炉で燃やせば、1トンあたり4~5万円ですが、食品リサイクルの業界では、1~2万円で受けることがほとんど。これで黒字化させることは、なかなか難しいのが現状です」