本当の仲間を「選別」する

いくら同じ会社で働くメンバーだとしても、生まれも育った環境も違う人間同士が、理解し合うのは簡単ではありません。しかし、それを乗り越えて1つになることもまた、チームで仕事をする喜びでもあります。

そんなチームをつくるために、時として、メンバーの選別が必要な場面もあります。

ひらまつ平松博利社長は、同社がより大きな企業体に生まれ変わろうとするタイミングで、社員を連れて河口湖に研修に行ったそうです。

平松社長は、当時いた200人くらいの社員を10人単位に分け、連日のように河口湖まで出かけては、自らの思想やこれからの方向性について、自らの口で語りました。そして、「『この指とまれ』だ。この指にとまる人間だけでこれから進んでいこう」と宣言したそうです。

もちろん、ビジョンに共感してもらえなければ、指にとまってくれないかもしれません。しかし、リーダーにとって、メンバーの能力の有無は、2番目3番目の問題なのです。

重要なのは、ビジョンに共感できるかどうか。さもなくば、能力があっても必要なメンバーとは言えません。冷酷に思えるかもしれませんが、そうした「選別」もビジョン型リーダーシップには必要なのです。

「社長トーク」では、こうしたビジョン型リーダーシップを実践するリーダーたちに、「メンバーの人選をどのようにしているのか?」を聞いたことがあります。多くのリーダーに共通する答えは、「素直さ」でした。

組織のメンバーとして、素直に仲間の声に耳を傾けたり、素直にチームの価値観を理解したりしようとする人柄が、チームの結束には不可欠とのこと。経験がなくても素直さがあれば、どんなことでも吸収でき、成長の可能性は無限大となります。

じつは、多くのリーダーが、この「素直さ」を持っているのも事実です。