「ビジネス書ランキング」で3年連続トップ10入り(トーハン調べ)した、佐々木圭一氏の著書、『伝え方が9割』。ビジネス書で、これだけ息長く売れ続けるケースは稀だとか。
今回は、同著の「誕生秘話」について著者の佐々木圭一氏に編集担当・土江が聞いた。(構成・伊藤理子 撮影・小原孝博)

「ビジネス書で3年連続ベスト10入り」は史上初

佐々木「本当にびっくりです。3年連続ベスト10入りどころか、夢は5万部だったので…。この本を世に出すまでには紆余曲折があって、時間も相当かかったので、感慨深いです。」

土江『伝え方が9割』が2013年、2014年、2015年と3年連続でビジネス書ベスト10入りになりました。

佐々木 ありがとうございます。

土江 トーハンさんにお聞きしたら、3年連続は初めてのことだそうです。

佐々木 そうなんですか?本当にびっくりです。3年連続ベスト10入りどころか、夢は5万部だったので…。この本を世に出すまでには紆余曲折があって、時間も相当かかったので、感慨深いです。

土江 発売は2013年2月ですが、佐々木さんと最初にお会いしたのは、2010年の秋ぐらいですよね。

佐々木 当時の僕は、上智大学で社会人に向けて「伝え方」の講義をしていました。それを土江編集長が見に来て、「本にしましょう」と言ってくださって。

土江 佐々木さんは自分なりの「伝える技術」を持っていて、できない人に対してどういう手順で考えればいいのかという方法論も確立されていたので、これは素晴らしいなと。教室の一番後ろの席で「これは絶対に本にすべきだ」って確信しました。それに、講義の場で、出席者からの質問を受けることでさらに伝え方がブラッシュアップされていて、すでにコンテンツとして磨かれていましたから。

佐々木 受講いただいた方々に、逆に磨いていただいたなぁと実感しています。「わからない」という顔をされたら、その都度言い換えたり、具体例を話したりして。私の講義を受けたことがある人には、「『伝え方が9割』は、あのときの講義そのまんまですね」と言われます。

土江 あの後、すぐに書き始めていただいたんですよね?

佐々木 はい。会社員だったので土日を使って書いていました。…僕は、本当に書くペースがゆっくりなんですよ。真剣に集中して一文字一文字書くから、1日せいぜい3ページくらい。それでも書き貯めて書き貯めて…半年ぐらいかけてようやく7割ぐらいまで書き進んだところで、2011年3月、東日本大震災が起きたんです。

土江 そうでしたね。

佐々木 そのまま頑張って書けば、その年の6月とか7月には出版できたかもしれませんでしたが、「いま『伝え方』なんて言っている場合じゃないな」という気持ちが強かった。

土江 1年ちょっとぐらいは、書籍化の話は止まっていましたね。翌年の2012年の秋ぐらいから再始動し始めましたね。

佐々木 その頃、『冒険に出よう』の著者である安藤美冬さんとランチをする機会があって。その時に「本を出そうと思って原稿を書いているんですけれど、いつ出すかわからないんですよね」みたいな話をしたら、「今すぐ出した方がいいですよ」と言われて。なぜかその言葉にすごく突き動かされたんですね。「今、動き出さなきゃだめだ」って強烈に思った。そこで、安藤さんと別れた瞬間に土江さんに電話をして「出したいんですけれど」とお願いしたんです。

土江 何かきっかけがほしかったのかもしれませんね、佐々木さんご自身の中で。