あらゆる世代が、伝え方に悩んでいる
土江 あれから丸3年が経ちましたね。当初は5万部目標が、3年連続ベスト10…やっぱり今の時代において「伝えること」の価値が非常に大きかったということなのでしょうね。
佐々木 本は、真摯に赤裸裸に書きましたが、それ以上にここでは紹介しきれないほどたくさんの方々のおかげだと思っています。メインで営業を担当していただいた、遠山さんはじめ、多くの営業の方ともファミリーのような気持ちになりました。ふつう著者と編集者はタッグを組むけど、営業の方々とここまで団結するのはめずらしいと伺いました。
土江 編集担当者としては、発売当初からプロモーションの際の手応えの大きさに驚かされました。ビジネス分野だけじゃなくて、主婦層や学生、若い女性の雑誌など、いろいろな媒体から引きがあったのです。ほぼすべてのジャンルのメディアに取り上げていただけたのではないかな。
佐々木 250回以上の講演をしてきましたが、伝え方に悩んでいる人の多さに改めて驚かされています。僕自身、もともと伝えるのが苦手だったこともあって、悩んだ経験も含めて「伝え方の手法」をお伝えするようにしています。共感いただいた方が、さらに周りの方に広めてくださった…というお話も聞いたことがあります。
土江 佐々木さん自身が、「自分は不器用だ」と自覚していて、伝え方が苦手な人の目線に立って初歩の段階から手順化しているので、どんな人でも伝える力が付くしくみになっています。だから、実際に力が付いた方がどんどん本を推薦して下さって、口コミで広がっていった。企業の社長さんが購入して社員の方に配る、というケースもよくお聞きします。あらゆる世代、あらゆる職業において「伝え方」に皆さん悩んでいて、課題感を持っているから、たくさんの方に手に取っていただいたということだと思います。
佐々木 伝え方が苦手だった私が実体験したように、伝え方に真剣に悩んでいる方が、伝え方の技術を身につけたら、人生はガラッと変わります。誰もがそれぞれの魅力を持っています。でもそれをきちんと伝えられている人は、少ないのではないでしょうか。伝え方って、もともと持っている魅力を知らしめるための「フタを開ける」の役割なんですよ。今まで伝わっていなかったものが伝わると、仕事も、人間関係も変わります。
土江 『伝え方が9割(2)』も合わせると、累計85万部となったわけですが、伝え方を知っていただきたい方はまだまだたくさんいらっしゃるので、担当編集者としてはこれからも本の魅力を広くアピールしていきたいという思いでおります。
佐々木 僕も…頑張らなきゃ(笑)。
佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師 上智大学大学院を卒業後、97年大手広告会社に入社。後に伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人 初、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)。アジア初、6ヵ国歌姫プロジェクト(アジエンス)。カンヌ国際クリエイティブアワードでシル バー賞他計3つ獲得、AdFestでゴールド賞2つ獲得、など国内外51のアワードを獲得。郷ひろみ・Chemistryの作詞家としてアルバム・オリコ ン1位を2度獲得。twitter:@keiichisasaki Facebook:www.facebook.com/k1countryfree HP: www.ugokasu.co.jp