4者=4方向に適した言葉を使い分ける
「桃太郎」とは、リーダー=起業家・経営者。
「イヌ」は、桃太郎をサポートする実務者。
「サル」は、ルールを決めるのが得意な管理者。
そして「キジ」は、人間関係が得意な調整役だ。
これら4者=4方向それぞれに適した言葉を使い分けていくのだ。
「社長(桃太郎)」には、目的=WHYを伝える。
「なぜ、そのアイデアを実行する必要があるのか?」がわからなければ、起業家は動かない。
「実務者(イヌ)」には、具体的な内容=WHATを伝える。
「具体的に何をやるのか? スケジュールは?」という、実務的な話だ。
「管理者(サル)」には、やり方=HOWを伝える。
「どんな作業が発生し、予算はどれくらいかかるか?」が、管理者の知りたい情報だ。
そして「統合者(キジ)」には、人=WHOを伝える。
「誰がやるのか? どんな配置にするか?」といった人間関係の問題だ。
このように、相手のタイプによって、有効な説得の言葉は違ってくる。
「桃太郎さん、私に吉備(きび)団子をくださいな」というのは、人間関係の機微(きび)をわかったものには、みんなついていくということだ。
あなたのアイデアは、異なる立場の人たちに理解されるごとに熱を帯び、現実味を増してくる。これはアイデアに命を吹き込む作業で、アイデアを思いついた人に優先的に与えられる特権なのだ。
神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の
読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。