農業者に「儲かる提案」を行い、肥料や農薬などを売るビジネスで毎年400億円の利益を上げる会社が米国にある。丸紅の完全子会社、ヘレナだ。同社は15年間で売上高が3倍になるなど急成長している。日本の農協の農業関連事業が慢性的に赤字で、縮小しているのと対照的だ。特集『儲かる農業2025 日本の夜明け』の#2では、ヘレナの成長の秘訣を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
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社員1人当たり売上高が2倍に
赤字の農協の農業事業と対照的!
丸紅の農業関連事業は近年、浮き沈みが激しかった。2020年3月期は米国の穀物事業(13年に買収した穀物大手ガビロンなど)で約1000億円の減損損失を計上し、丸紅が過去最大の赤字に陥る要因になったこともあった。
だが、足元では1987年に買収した米農業資材販売のヘレナが、着実に収益の柱に育っている。肥料などモノを売るビジネスから「農業ソリューションカンパニー」へと脱皮し、年間約400億円の安定した利益を上げるようになっているのだ。
買収時は米国で100カ所だけだったヘレナの営業拠点は500超に増え、売上高は23年3月期までに14倍に拡大。社員1人当たり売上高も約2倍に伸びた。
収益拡大の原動力になっているのが、地域に密着した営業担当者が農業者の収益を拡大させる提案を行い、共に成長するビジネスモデルだ。
次ページでは具体的に同社がどんな困り事の解決をしているのか、成長の秘訣を明らかにする。