これらをまとめてみると、グローバルを地域別で見る第1トヨタと第2トヨタに製品軸の7カンパニーを発足させ、縦軸、横軸の9つのビジネスユニットで互いに競争、切瑳琢磨してヘッドオフィスと連動し、企業価値の向上を狙う。

 製品軸カンパニーは、小型車カンパニーがトヨタ自動車東日本に生産を集約され、これに完全子会社化したダイハツの軽自動車が加わることになろう。ミッドサイズヴィークルカンパニーは主力乗用車開発生産に集中。CVカンパニーは商用車・トラック部門としてトヨタ車体に日野も参画するだろう。

 注目されるのがコネクティッドカンパニーで、「つながるクルマ」が先進技術カンパニーと共に、自動運転などを促進する目玉となりそうだ。

各カンパニーのプレジデントには
次代のリーダー候補が集結?

 そして、各カンパニーの責任・権限を持つプレジデントには、専務役員がそれぞれ就任。さらにバイスプレジデントには、常務役員クラスが就任することから、彼らにそれぞれ「経営者」としての経験を積ませることで、次のトヨタトップへの登用にも結びつく可能性が高い。

 7つのカンパニープレジデントの顔ぶれは、コンパクトカーカンパニーが宮内一公専務役員、ミッドサイズヴィークルカンパニーが吉田守孝専務役員、CVカンパニーが増井敬二プレジデント兼トヨタ車体社長、パワートレーンカンパニーが水島寿之専務役員、先進技術開発カンパニーが牟田弘文専務役員、レクサスインターナショナルが福市得雄専務役員、そしてコネクティッドカーカンパニーが友山茂樹専務役員、という陣容だ。

 この専務役員クラスの登用に対して、副社長陣は6人体制から4人体制へ減るが、戦略副社長会に加えて新設のコーポレート戦略部を統括するなどマネジメント主体、あるいは長期戦略を主体に、章男社長を支える陣容を強めることになる。

 トヨタは豊田章男体制に移行後、リーマンショックによる赤字転落とリコール問題への対応で「嵐の中の船出」を体験し、2011年3月9日に「トヨタグローバルビジョン」を発表した。リーマン後の世界販売の大幅な落ち込みによる経営環境の悪化や一連のリコール問題を経験し、そこから学び反省したことを通じて「トヨタはどんな企業でありたいのか、どんな価値観を大切にして行くのか」といった企業のあるべき姿を明らかにしたものだった。

 それはかつての「グローバル10」といった量の拡大を目標とするものとは異なり、持続的な成長を実現できる企業を目指す理念主体のものであり、「もっといいクルマづくり」が典型的な章男イズムだった。