2度目の“審判”でも、次男に軍配が上がる結果となった。3月6日、骨肉の経営権争いが続くロッテホールディングス(HD)の新宿本社で臨時株主総会が開催された。
ロッテ創業者である重光武雄名誉会長(93歳)の長男、重光宏之元副会長(62歳)は、自らの経営復帰と現経営陣の一掃を求めた議案を提出。敗北した昨年8月の総会からの巻き返しを狙うも議案はあえなく否決、総会はわずか30分で散会となった。この結果、引き続き次男の重光昭夫副会長(61歳)が経営権を握ることになる。
勝敗の鍵を握っていたのは、ロッテグループ従業員持株会だ。ロッテHDの株主構成は、宏之氏側の持ち分がおよそ40%、昭夫副会長(ロッテHD)側が32%で、共に過半数には達していない。どちらが、残りおよそ28%の議決権を持つ従業員持株会の支持を得られるかがポイントだった。
従業員持株会は約130人の会員で構成される。議案に賛否の意思を示す「議決権の行使」は、理事長ら5人の理事から成る理事会で決議される仕組みになっており、実質的には、組織トップの理事長に全権が委ねられている。
ところが不思議なことに、当の理事長は、議決権を昭夫副会長側に委ねて、今回の総会に姿を現すことはなかった。