4、「俺のやり方が気にくわないのか?」

 多くの上司が部下や後輩からの提案を素直に喜べないのは、「提案するということは、俺のやり方に問題があると思っているのだな」と、「提案=文句や批判」と受け取るからだ。いささか器が小さいなとも思うが、自分のやり方を否定されて、いい気がする人間はいない。本当に提案を通したいなら、相手がどう感じるのかまで慮るべきだろう。

 さて、3に関しては「結果を出してから再提案」が唯一の対処法だが、1、2、4に関してはやり方次第で今すぐにでも話を聞いてもらえる可能性がある。「なぜ私がこの提案をするのか」という部分に、相手も納得できる理由づけをするのである。

 たとえば「新人の立場で恐縮ですが……」では「偉くなって出直して来い!」と言われてしまうだろう。しかしそこで、「顧客Aと顧客Bと顧客Cの3つの会社から共通にお願いされた内容(を代弁する)」「アラサー独身女子の視点だと、一般的には…」といったように、平社員の自分が提案をしているのではなく、お客様からの要望を代弁している、という形で「正当性」を獲得したり、特定の世代や特定の趣味を持つ人などのカテゴリーの典型例としての「立場」を明確にしておく。すると、上司にも聞き流せない状況を作ることができる。

 もう一つ大事なのは、問題の「報告」と「提案」を一度にしないこと。つまり、最初に「顧客からこんな声が上がっています」という事象の報告、そして、「他の顧客からも同様の声が上がっているということは、きっと××に問題があるかもしれません」というその段階での評価と診断を表明するのが第一段階だ。

 そのうえで、「じゃあ、どうすればいいと思う?」「○○についても調べてくれない?」などと上司に言わせることができれば、次への提案の道が開かれる。上司は、「自分が依頼した」という気持ちになっているから、次は「聞くモード」になってくれる。一度に報告と提案の両方をやると、「僭越な奴」となるのだが、2回にわけると「上司のイニシアティブのもと、適切な指示に従った提案」に変わるから不思議だ。本当につまらないひと手間なのだけども、そんなことで提案が通りやすくなるのだから、ワンステップ入れる合理性は高い。

きちんと考えた?
あなたの提案には穴がある

 続いて、Bタイプについて解説していこう。Bは「提案としてきちんと成立していない」ものだ。「目的がごちゃごちゃになって整理されていない」「実行する人員が確保されていない」「プロジェクトマネジメント的に見て工程管理ができていない」など、この提案にOKを出しても、実際に最後までたどり着けるか覚束ない感じがするのだ。従って、よほど時間と予算に余裕があるとき以外は、OKしてもらえない。