嫁キャリア優先で生まれる
夫のキャリア危機

 夫も妻もバリバリ最前線で働くのが当たり前になると、これらの例のように嫁キャリア優先で夫がそれに合わせるケースも増えていくでしょう。妻のほうがいわゆるよい会社にいて給料も高ければ、そのほうが合理的な判断です。最近はイクメン男子ということで、専業主夫が注目されてもいます。

 ただし、嫁キャリア優先の選択をした場合、夫の側にリスクが生じる可能性には注意しておいたほうがよいでしょう。

 たとえば妻の転勤に合わせ夫が会社を辞めて転職する場合、必ずしも自分がやりたい内容の仕事が見つかるとは限りません。場所ありき、条件ありきで仕事を探すと、自分が情熱をかけて取り組める仕事に就けなくなってしまうリスクがあるのです。

 まして仕事を辞めて専業主夫になるということは、そこで一度、キャリアが途切れることを意味します。職種にもよりますが、仕事の現場から離れるといろんな意味で人は鈍ってしまいますから、いずれ復帰するにしてもその後が大変です。

 これまでは結婚や出産によって妻が家庭を優先し、本当にやりたい仕事から離れざるを得なくなったり、働きたくても退職せざるを得なくなったりしてキャリアが途切れるケースがよくありましたが、その逆パターンが生じるわけです。

 なお、しばらく仕事を離れると鈍ってしまうのは男女問わずに起こる現象で、育休明けの女性を見ていると1ヵ月くらいは以前の仕事ぶりと比べ、明らかに鈍っている状態が続きます。本人たちも「頭が回りません!」ともどかしさをよく嘆いています。