ヤフー・ジャパンがグーグルとの提携を発表した。この提携をどう評価すべきであろうか。私は、二つの重要な論点があると考えている。

グーグルの日本支配

 発表によると、ヤフー・ジャパンは、年内にも検索サービスの基本技術である検索エンジンをこれまでの米国ヤフー製からグーグル製に切り替え、同時に、検索サービスと連動したネット広告(検索連動広告)のシステムについてもグーグル製を採用するようである。

 検索サービスにおけるグーグルのシェアは、米国で65%、欧州の主要国では、75~80%台となっている。ところが、日本の検索サービスのシェアは、これまでヤフーが53%、グーグルが37%であった。グーグルは先進国の検索サービス市場のうち日本では苦戦していたのである。

 しかし、今回の提携により、日本の検索サービスの90%がグーグルの技術に支配されることになる。検索は、ネット上の情報流通を牛耳るプラットフォーム・レイヤーの中核となるサービスであることを考えると、欧米と同様に、日本のネットのプラットフォーム・レイヤーも事実上グーグルに支配されることになるのである。

 かつ、ネット広告についてもそれと同じ状況になる。ネット広告は大別して、検索連動広告、ディスプレイ広告(バナー広告など)、その他(携帯広告)の3種類に分けられるが、広告単価などの点から、収益性が高いのは検索連動広告である。日本でもその市場がグーグルに席巻されるのである。