あくまでもジャーナリストが本分であるとして、池上はテレビドラマに新聞記者役で出てくれと言われたのも断ったし、『徹子の部屋』や『情熱大陸』への出演も断ったという。

「何を言っても許される」
大尊敬しているのは筑紫哲也

 そんな池上が大尊敬しているのは筑紫哲也。池上のデビューの本のオビに推薦の言葉を書いてもらったし、彼にとっては殿上人のような存在らしい。

 そんな筑紫を池上はこう語る。

「私からすると、『あの人は何を言っても許される』と見えるわけです。彼はジャーナリストであると同時に、『筑紫哲也のNews23』の場合は『異論!反論!OBJECTION』や『多事争論』という形で、自分の見解を伝えていました。これは何の問題もありません。そこで含蓄に富んだいろんな指摘には大変刺激を受けたし、尊敬もしていました」

 池上と私の対論のタイトルは「偏らない意見って何? 今、ジャーナリストに求められるもの」だが、池上は、「偏らない意見なんてないでしょう」と言い切った。しかし、私が池上に感じている不満は、池上があまりに偏らなすぎるということである。

 それについて尋ねると、「私はNHKに入ったときから徹底的にそれだけを叩き込まれました。要するに、『自分の意見を言ってはいけない』『NHKとして偏ったことを言っちゃいけない』『いろんな多様な意見を客観的に伝えていくんだ』ということです。私は評論家でもコメンテーターでもない。ジャーナリストですから、『事実を伝えるんだ』っていう形でずっと原稿を書いてきました。それがあるとき突然、『キャスターになれ』と言われたわけです。それでも、やっぱりあくまで私は『伝え手』であって、『自分の意見を言うべきでない』ということを徹底しています」と池上は告白した。

 その番組が『週刊こどもニュース』である。