手数料は相手の自由に
発想の転換で収益化に成功

 セブン銀行のATMは、地域の金融機関との提携があって成り立っている。地域の金融機関は、セブン銀行とATM利用の提携をするだけでなく、ALSOKがセブン銀行のATMに補填する現金の調達を担っている。逆に現金が多くなれば、セブン銀行は提携金融機関に運用資金を預ける。

 他社のキャッシュカードを使ってセブンのATMで現金を引き出すときに、顧客受入手数料を金融機関からもらうが、セブン銀行がユニークだったのは、引き出した客が金融機関に払う手数料を、各金融機関に任せたことである。引き出しにかかるATM利用手数料は昼間100円、夜間200円が標準的であったが、各金融機関はどのように価格づけしてもよかった。ちなみに、セブン銀行の収益に占めるATMサービスによる比率は、2015年3月期で94%であった。

 それでは次に、セブン銀行のあまり知られていないオペレーションの方法について述べていこう。

ALSOKはなぜ月1回しか来ない?
売上金入金サービスの真の強み

 セブン銀行では、創業と同時に企業向けの「売上金入金サービス」を始めた。これは、店舗などの売上を、専用カードを使ってセブンのATMに入金するサービスである。専用カードによって入金された現金は、企業ごとに即時に1つの口座にまとめられ、本部・本社は一括で資金管理ができる。

 このサービスによって、企業は現金保有のリスクから開放され、特に夜間営業の企業にとっては、銀行の夜間金庫替わりになるメリットがあった。セブン銀行が創業した2001年頃は、支店が閉鎖されたり、収益の見込めない夜間金庫事業から撤退したりする銀行が相次いでいた。

 当初、売上金入金サービスは、セブン-イレブン店舗の売上の入金から始まった。これによって、特に夜間における防犯に役立った。次第に夜間営業の店舗や、ガソリンスタンド、芸能プロダクション(コンサート会場でのグッズ売上など)などに広がり、タクシーの運転手にとっても、なくてはならない存在となった。