しかし、私たちビジネスパーソンは仕事の場で、その金額が高いか安いかを数的に評価する局面もあるでしょう。

 増加率が◯%増えたらどうなるのかを数字で計算することもあるでしょう。

 わかりやすい説明をするために、要素の順序を論理的に組み立ててプレゼンを設計することもあるでしょう。

 たしかに、そのレシートに書かれている数字は、あなたにとってそれほど重要な意味はないかもしれません。

 ですが、こんなレシート1枚に書かれている数字で遊べない人が、いざビジネスシーンでもっとたくさんの(そして、あなたにとって重要な)数字を扱う局面になったとき、正しい仕事ができるとは到底思えません。

ビジネス書1冊読むよりも、レシート1枚?

 小売りをビジネスにしている企業などは、レシートを単なる紙きれだとは思っていません。QRコードを掲載したり、「持参すれば半額」といったオファーを出したり、ビジネスの質を高めるためのツールとして活用しています。

 ならば、私たちビジネスパーソン個人も、レシートをツールとしてうまく活用される側だけではなく、ツールとしてうまく活用することもしたいものです。

「レシート? 要らないです」

 飲食店でそう言っておきながら、「数字? 苦手なんだよなぁ……。もしできることなら、数字に強くなりたいなぁ」とボヤく人は、私に言わせれば言動が矛盾しています。

 特にビジネス書を買っても1章くらいしか読まない、最後までの読んだとしてもちっとも変われないという人にこそ、こういう感覚を持っていただきたい。

 レシート1枚で鍛えられることも、たくさんあることを。