日本企業がアジアで苦戦するのは
「アジアNo.1」思考に原因がある

 楽天のネット通販事業の東南アジア各国からの撤退だけではなく、ここ数年続いている「アジア海外展開ブーム」のあり方には、問題があるように思えてならない。大企業だけでなく中小企業に至るまで、多くの日系企業がどんどん海外進出しながらも成果はそこそこ、もしくは早々に撤退する場合が多いと聞く。

 なぜ日本企業が海外進出しても、イマイチの結果になってしまうのだろうか。その理由を考えたときにふと思い出したのが、私が敬愛する国際ジャーナリスト・落合信彦氏(ノビー)の息子さんの落合陽一氏。彼のTwitterのつぶやきが話題になったことがある。

「日本人のセルフイメージって2010年のGDPのままな気がする」

「中国に抜かれたって大きく報じられたから今でも僅差だと思ってる人多すぎる」

今の日本のGDPは米国の4分の1、
中国の半分以下という現実

アジア撤退企業に共通する<br />「日本式マネジメント」の時代錯誤長年敬愛している落合信彦氏(ノビー)のご子息をテレビで拝見し、新たな感動に包まれた筆者

 落合陽一氏の言う通り、2015年における日本のGDPは、1位の米国が日本の4倍、中国は日本の2倍。そしてインドは日本の半分まで伸びて来ている。

「世界中どこも不景気だから、日本も不景気だけど仕方ない」と、日本人がデフレスパイラルの中に居続ける言い訳を繰り返しているうちに、世界は進化してしまった。失われた20年どころか、この5年だけでも、日本は大きく取り残されているのだ。

 また、みずほ銀行産業調査部作成レポート(出所:EIU)に発表されているように、2020年には「ASEAN+中国+インド」の総GDPが、世界の半分を超えると予測されている。そのように大きく変化しているアジアに対して、いまだ「アジア=安かろう・悪かろう」「日本式が一番よい」と思っている人が多いことが、日本企業の海外展開を失敗させている大きな原因ではないだろうか。

「2050年にはインドが日本を抜く」「アジアは中国とインドを中心に、そしてASEAN諸国、日本で経済圏を構成する」とも言われているアジアに対して、いつまでも「アジア=安かろう、悪かろう」と扱うのは滑稽ではないか。