28、「リスクが大きすぎる」

 果実も大きく、成功する可能性が高い提案でも、それなりに大きな提案は、上司を間違いなく躊躇させる。たとえ8割成功することがわかっていても、2割のリスクの前に慎重になる。大きな勝負の場合、失敗したら間違いなく社内で問題になるからだ。そもそも上司がエリートコースに乗っていれば、サラリーマン的にはそんな冒険をする必要はまったくない。その賭けが会社の発展にとっては千載一遇のチャンスであっても、個人にとってはリスクのほうが大きいのである。

 そんなことから、上司が躊躇し、せっかくの飛躍のチャンスを逃すようなこともある。こんなとき、あなたがもし血気盛んな若手社員なら、直接の上司をぶっ飛ばして、事業部長や役員に直訴するというのもあるし、そういう方法で注目を浴びた先輩社員たちも多い。とはいえ、相手が事業部長や役員だからといって、「良ければやる」という意思決定をしてくれるかどうかもわからないのが難しいところだ。彼らもまた、サラリーマンだからである。

29、「他にやるべきことがあるからごめん!」

「同時に3つも4つも新しいことをやる予算も人もいない」などの理由で、提案自体はよくても、残念ながらお蔵入りになってしまうケースも多い。「(会社として、部課として)他に優先すべきことがある」と上司が感じた場合、ひっくり返すのはなかなか難しい。従ってよいネタがある場合は、他の人のネタに先んじて、有力な上司の耳に早めに情報を入れておくことも重要だ。決裁者のマインドシェアをいかに多く獲得するか、というのも提案の一つの要素なのである。

30、「ちょっと違うな」

「うちの勝ちパターンに合わない」「そのやり方は好きじゃない」など、感覚的ともいってよい理由での拒絶である。こういった場合、実際にやってみるとやはり本当に失敗したりもするので、単なる感覚だと断じることもできない。何がどう合わないのか、言っている本人も論理的に説明できないことが多く、その後の対応策が立てづらいという特徴もある。とくに転職者にとっては、なぜ否定されているか想像もできないから、まったくもってやっかいである。

 しかながら、この「ちょっと違うな」には、結構重要な真理が隠されている場合が多い。自分たちが何者であるかという自己定義。得意不得意の自己認識。数々の体験から得られた成功と失敗の法則、それらには言語化できていないものの、会社にとって重要な思考と行動の原理原則であることが多いので、上司に「何が違うのかをできるだけ言葉にしてください」と頼んで、次に活かしたい。