前回まで国民年金の納付率について検討してきた。では、それを考慮した場合、国民年金財政の将来見通しはどうなるのだろうか?

 これまで国民年金の納付率について検討してきた。

 厚生労働省が8月5日に発表したところによると、2009年度における国民年金保険料の納付率は、08年度より2.1ポイント低下して59.98%となり、ついに6割を割り込んで50%台に突入した。これは、4年連続の低下である。

 年齢別の納付率を見ると、20~24歳は49.0%、25~29歳は47.1%と、すでに40%台になっている。

 このような状況を考慮した場合、国民年金財政の将来見通しはどうなるのだろうか?

 2009年に公表された「財政検証」において、国民年金の財政見通しとして、【図表1】のような結果が示されている。

 この数字を見る限り、国民年金の財政は、未納問題にもかかわらず、健全である。単年度収支は、2060年代まで黒字が続く。現在10兆円程度である積立金は、60年代には40兆円を超す水準になる。

 つまり、(厚生年金と同じく)国民年金も「100年安心年金」の名にふさわしい健全な財政状況を続けることになっているのである。