「最新のマネジメントスキル」は必要ない

 ケロッグのEMBAを卒業し、渋谷で社長をやっているOさんは、これまで多くの会社を買収してきたが、思うところがあり、買った会社をすべて売り払ってEMBAに学びにきた。彼はEMBAで自己分析を徹底し、これまで自分がやってきたようなマイクロマネジメント(細かい業務管理)はやる気をそぐだけだと理解した。

 そして、部下にはむしろ本質的な質問をし、考えさせることで正しく導くというスタイルの有効性に気づいたという。実際、帰国してからのリーダーシップ・スタイルには大きな変化があり、部下の反応も変わってきているようだ。

 ビジネスエリートがリーダーシップについて学ぶというと、世界を股にかけて活躍するグローバルリーダーをモデリングするとか、最新のマネジメントスキルを身につけるなど、テクニカルな側面がイメージされがちだが、実際に彼らが学んでいるのはそんなことではない。

これまでより一段高いステージで仕事をしたければ、まずは「自分を知ること」、そこから始める必要があるのだ。

(本原稿は、『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている一流の頭脳の磨き方』より抜粋して掲載しています)